13世紀ころのイタリアの数学者フィボナッチは、木の枝に葉が生えていく過程や、カタツムリの殻の渦の広がり方など、多くの生物の生長パターンが1.618の比率で成長することを発見しました。相場も多くの人間行動の結果で、そこから生ずる変動も自然現象の現れとする考えに立ち、その相場の押しや戻りの目標価格を推測する手法です。
- 相場は前の動きに対し、ある一定の比率で押し(戻し)の動きを示すことはよく知られています。その相場の押しや戻りの目標価格を推測する手法として、フィボナッチ・リトレースメントが使われます。
- フィボナッチ・リトレースメントでよく用いられる数値は、61.8%、50%、38.2%であり、強いトレンドの場合は最小の戻し38%前後、弱いトレンドの場合は62%前後まで見ます。
- 日本の罫線でも目標価格を推測する手法として半値押し、1/3押し、2/3押しなどがありますが、フィボナッチ・リトレースメントとよく似ています。
- 短期売買のトレーダーは、その日の朝、まず前日の高値と安値を調べこの3つのポイントを計算します。 そして注目は、そのポイントの裏側にはストップロスのオーダーがあることです。 相場は、ストップロスをのみ込んで成長します。その成長率が1.618となんらかの相関があることが経験的に知られています。
- (注)
- フィボナッチ数列とは、13世紀の数学者レオナルド・フィボナッチの発見した数列で、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89・・・ と無限に続く数列のことです。この数列では2つの連続する数字の合計が次の数に一致します。
- またリトレースメントとは、連続する2つの数字の戻りの比率のことで、1/1,1/2,2/3,3/5,5/8,8/13,・・・と続きますが、これは1,0.5,0.666,0.6,0.625,・・・そしてそれ以降は振幅しながら0.618に近づいていきます。そして1つおきの比率1/2,1/3,2/5,3/8,5/13,・・・ は0.382に近づきます。
- 0.382+0.618=1 という関係になりますが、実は0.618とかその逆数1.618とかは、平均律あるいは黄金比と呼ばれ、古代ギリシャやエジプトで、音楽、絵画、建築、生物学に応用されていた比率に一致します。
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