ベアー・マーケット入りの瀬戸際
今週のウォール街は大幅安となった。
注目されるのはNYダウ平均が昨年10月5日の14,066ドルをピークにして昨日の11,346ドルまで-19.34%の下落率になったことだ。
これまでの経験則では相場がベアー・マーケット入りと判断するのは「下落率が-20%以上」になったときといわれている。
金曜日の引け値では1%弱の範囲でベアー・マーケット入りの判断は避けられたが、片足を突っ込んだことは確かである。
昨年10月以来、下落相場が続いただけに「いまさら・・」という話にはなるが、相場の下落を「長期上昇相場の調整局面」とみるか「本格的な下落相場」とみるかによって、先行きの投資戦略を立てる上では大きな違いがある。
「本格的な下落相場」の突入した場合は「押し目買い」の作戦をとることができず、相場が大底をいれる時期までは、基本的には見送りの姿勢をとらなければならない。
前回のベアー・マーケットは2000年春~2002年秋まで足掛け3年間の下落相場になった。
今回は昨年10月の天井からすると2年である。
株式相場が企業業績と大きな相関度をもつだけに、業績がいつ底入れするかがカギになる。
今週の相場の下げは原油高と、金融機関の業績の下方修正の見通しの続出が理由であった。
仮に来週も株価が下落して、-20%超になれば相場を判断する姿勢を変更しなければならない。
日経平均は昨年10月をピークにして昨日まで-22.5%であった。
さらに今年の安値である3月には11,787円まで下落していたので、すでに-37%下落していた。
ことし3月~6月に関しては日米の株価の相関度は薄くなっていた。
ただNY株については、ことし1月と3月の下落時のようにVIX(不安)指数が大きく上昇し、30ポイント超になるような現象が出ていないのは注目点ではある。